私の作品に欠かせないユポの魅力
ユポを使用したウィンドウディスプレイ、インテリアなどの装飾品をデザイン・制作・販売されているnekonekodesign PAPER ARTSの菅野 一剛さんにお話を伺いました

2023年5月26日

ユポとご縁のある方々に、ユポとの出会いのきっかけやどのような場面でユポを活用されているのか、ユポを選ぶ理由などをインタビュー。今回は、ユポを使用したウィンドウディスプレイ、インテリアなどの装飾品をデザイン・制作・販売されているnekonekodesign PAPER ARTSの菅野 一剛さんにお話を伺いました。

Profile/菅野 一剛

Paper Artist
明治大学文学部を卒業後、ギャラリーや広告代理店、アパレルデザイン会社に勤務。在職中から「紙を縫い、切る」独自のスタイルでペーパーアーティストとして活動。2018年4月にnekonekodesign PAPER ARTS を立ち上げ、独立。ラグジュアリーブランドや商業施設、ショップなどのウィンドウディスプレイのデザイン・制作や、オリジナルブランドのプロダクトデザイン・販売などを手掛けている。

印刷所での出会いが今につながっている

ユポを使って独創的なものづくりを

私が美術に興味を持ったのは、大学3年生の時に美術評論の本を読んだことがきっかけです。その後、自分で学んだ知識を生かして仕事をするため、営業としてギャラリーに就職しました。当時は自分で何かをつくることはなかったのですが、だんだんと創作にも興味が出始め、デザイン学校に通うためにギャラリーを退職。卒業後はアパレルデザインの仕事に就いたのですが、もっと自分にしかできない独創的なものをつくりたいという思いでユポを使った作品作りを始めました。ユポを使った理由は、印刷所でのアルバイト経験があり、その美しさや耐久性などを知っていたから。他の人がやらないことをやってみようと、ユポを縫ってみたことが現在の活動の始まりでした。

ペーパーアートの世界に踏み出す

初めはサラリーマンをしながら創作活動をしていたのですが、徐々に作品への評価や展示の話をいただけるようになりました。そんななか、海外の出版社からペーパーアート作品を紹介する本への掲載依頼をいただきました。この時、初めて「ペーパーアート」というジャンルが存在することや日本にはまだペーパーアーティストがあまりいないことを知り、本への掲載はこの世界へ本格的に踏み出すチャンスだと思い、独立を決意しました。

SDGsに貢献できるペーパーアートを

昨今の世界情勢を踏まえてSDGsに貢献する素材の使用を求めるクライアントが増えているのですが、ユポは製造時のプラスチック削減に取り組んでいることや、製造時のCO2排出量を減らしたユポグリーン®シリーズがクライアントの心を掴んでいます。現在多くの制作物でユポを使用しています。「SDGsにも貢献できるペーパーアート」として徐々に認知されるようになってきました。

ユポの質感、再現性のおかげでできる私の作品

構造を工夫し、立体感と耐久性を両立

ユポには、切れ目を入れると裂ける性質があります。裂け目を有効活用している作品もありますが、基本的には裂けないように独自のテクニックで加工を行っています。
また屋外展示作品では、作品に迫力を出すための立体感と耐久性をいかに両立するかが大きな課題。平面を切るだけの作品には耐久性はありますが、見る人の視覚的に訴えて感動を生むためには立体感が欠かせません。そのため紙を重ねて耐久性を強くしたり、平面のままでも吊るすと立体的になるように構造を考えたりしながら作り上げています。紙を吊るす際には、素材のコシがないと重力に耐えられなくなってしまうのですが、その点もユポの耐久性のおかげで安心して使用できています。

屋外展示でも、劣化せずハリが持続

私がつくる作品には屋外展示のものが多いため、素材の耐久性と耐水性には最も気を遣っています。ユポはその2点が非常に優れているため、私の多くの作品に使用しています。屋外での展示作品は2~3カ月経ってもハリが持続し、ある屋内での展示では、最長で2年間も切れたり、しおれたり、変色したりすることがありませんでした。
また、紙としての美しさを持ち合わせているのも大きな魅力です。私が作る切り絵は、紙をどれだけ細かくきれいに切れるかが重要なポイント。ユポは紙の質感を失うことなく、非常に細かい柄まで再現することができます。

店舗ディスプレイにも環境配慮を

さまざまなお店のウィンドウディスプレイ制作のご依頼をいただく中で、3年ほど前から「環境に配慮した素材を使ってほしい」という依頼が増えてきており、ここ1年では欠かせない条件となりました。同時に、特に高級店のディスプレイを制作する際はラグジュアリーな質感も絶対に外せません。ユポは高級感のあるなめらかで美しい紙質を持ち、かつバイオマス樹脂を使用したユポグリーン®を使うこともできるため、高級感とSDGsへの貢献を求めるクライアントの要求もかなえることができています。

世界的なクリスタル製品ブランドのディスプレイを担当

ウィンドウディスプレイで最初にユポを使ったのは、バカラショップ 丸の内店の作品です。その他、高級ジュエリーブランドや蔦屋書店、大型商業施設でも展示を行いました。展示だけでなく、阪急などの百貨店、蔦屋書店、伊東屋などで製品の販売も行っています。
思い出深いのは、やはり独立1年目の最初に担当させていただいたバカラショップ 丸の内店。世界で名高いビッグブランドでの案件で、お客様をはじめディスプレイ業界の方からも多くの反響をいただき、自分のブランディングや新たな仕事にもつながる重要な出来事になりました。インスタグラムに過去実績を掲載していますので、ぜひご覧ください。

nekonekodesign PAPER ARTSがこれまで手掛けてきたウィンドウディスプレイやプロダクトをインスタグラムで紹介しています。ユポの再現性を生かした、柔らかく繊細な切り絵の作品をぜひご覧ください。

自分の作品で感動の輪を広げたい

今後も引き続き、さまざまなウィンドウディスプレイ作品の制作・展示を予定しています。6月には合同展示会「インテリア ライフスタイル2023」への出展も予定しています。また、以前イベントで海外への販売を行った際にも良い反応をいただけたので、本格的な海外展開も視野に入れています。
私の活動における一番の喜びは、私の作品を見た人々が驚き感動してくれること。今後も人を感動させられるスケール感とSDGsへの貢献を共存させながら作品をつくり続けていきたいです。

  • 「ユポ」、「YUPO」、「ユポグリーン」は株式会社ユポ・コーポレーションの登録商標です。